資格試験受験の記録

平成29年度司法書士試験を受験した際の、模試の結果及び本試験の結果の記録

社労士試験における没問処理について

※この記事(というかブログ)には没問による合格点予想などは全くありません。

※社労士関係の記事はそのうち消そうと思っています。


社労士試験における没問処理について、いろいろな意見があるようです。


1.複数正答とするのではなく、没問とすることについて

試験センター発表のとおり、Dの選択肢の内容では正誤の判定ができないという理由である限りは、正誤の判定ができない選択肢が存在する以上、没問とするのはやむを得ないと考えます。その上で、全員正解とすることについては、取扱いが決まっていたり、従前とおりの対応であれば裁量の範囲内かと(ただ、調べていませんが過年度における対応との整合性があることが前提)。


※「正誤の判定ができない」という部分の当否は、それが公定解釈になりましたのでここでは触れません。


2.没問を作成したことについての批判について

これはあってしかるべきだし、そのとおりだと考えます。


3.没問により自己採点と点数が変動したことに対する批判について

これは、気持ち的にはわかりますし、没問発生させたんだから、批判は仕方ないのかなと思います。

そう思うのももっともですし、没問発表により一喜一憂させられて、とても不安定な気持ちになるのは、最悪だと思います。


4.没問のせいで、没問発表前より平均点が上がったせいで基準点があがり、没問がなければ合格するかもしれなかったのに没問のせいで不合格になるかもしれない。

気持ち的にはわかります。ただ、3.と異なり、気持ち的にはわかりますが、理論的には違うのかなとも思います。

この試験において、

①没問の含まれた試験問題作成

②試験日に没問の含まれた試験問題で試験実施

③没問の発表

④合格発表日


これの、③と④が逆であり、それで不合格になるのであれば多いにわかります。

しかし、そういうわけではなく、また、①から③の間で試験問題が改変されたりしたわけでもありません。

「当初から」没問が含まれた問題を全員が解き、没問発表はありましたが、その問題に対する試験委員が決めた正答により採点が行われ、合格発表がされる(予定)という点において、全員に配られた同じ試験問題を同じように解いてその結果の点数、なので、ABCEを選んでいた人は「1点上がった」のではなく、まだ個人個人の点数が発表されてない段階においては、「予備校の解答と異なりABCEも正解扱いだった(予備校解答による自己採点の点数が間違っていた)」ということになろうと思います。

そのような問題を作成したこと自体は大いに批判されるべきですが、没問発表により点数が動いたのではなく、③は試験委員が没問に気づいてそれを認めただけであり、②の段階から「Dが正答に見えるがそれだけでは正誤が判断できない全員正答とされるべき問題」でDを選んだのみで、④の前である以上、実際には点数に変動があったとはいえないのかな、と。


気持ちの面でも、D以外の人の中には「だからDはおかしいとおもったんだよ」という人もいると思います。「全然わからなかった人も1点もらえるのはおかしい」というのも、気持的にはわかりますが、むしろ、答えが出せない問題なのだからそれは当然なのかなと(だからこそ没問となる問題を作ったことは批判されるべきです。)。


上手く伝えられませんが、例えば、Dを選んで(まだ発表されてませんが、④の時点で)43点の人については、②の時点でも客観的には43点というのは変わらない。

Aを選んで43点の人も、②の時点で判明していないだけで43点であり、②の直後に「自己採点で」42点だと「思ったが」、③により「自己採点も」43点となっただけであり、客観的な点数が変わった訳ではない。


「没問のせいで平均点が上がる=基準点が上がる」というのは、そのとおりだと思いますが、それこそ、全受験生に対して平等に影響を与えます。

「Dを選んだ人は点数が上がらないから不公平だ」というのは、上に書いたとおりの理由なのですが、そもそも本来「Dも正答とは言い切れない」中で正答となったわけですから、不公平ではないかなと。

この点については、言ってしまえば「予備校の解答速報が間違っていた(Dが正答ではなく没問による全員正解だった)」ということで、そのせいで「自己採点が間違っていた」(そもそも「自己採点」なので、いつ自己採点やるか、自己採点をやるのか自体も試験委員の関知するところではない。没問がありうると言われている9月末を過ぎてから自己採点やればよかった)ということなのですが、結局、没問を発生させた試験委員のせいで予備校が間違えたといえるわけで、それはやっぱり責められるべきなのかなと。


ただ、「だから不合格になった」というのは、違うかなと思います。


没問を作成した試験委員を責める、怒るのはわかります。


ただ、全員同じ試験問題を解き、同じ基準で採点され、その結果の合格不合格であり、それは没問云々とは関係ないはずです。